こんにちは!代表取締役 兼 AIサービス開発室の鈴木生雄です。ポッドキャストを更新しました。
注目ニュース
5年後のリーダーがいなくなる?AIエージェント時代の人材戦略を考える
AIエージェントがソフトウェアエンジニアの雇用に大きな影響を与えています。このPodcastでも何度か取り上げているように、去年の初夏くらいから、米国でのレイオフや採用抑制のニュースがたびたびありました。しかし、ここに来て逆の動きがみられるようになってきました。2月6日にITProが公開した「Are we facing an AI-fueled talent pipeline time bomb?(我々はAIによる人材パイプラインの時限爆弾に直面しているのか)」という記事や、2月12日のBloombergによる「IBMが2026年における米国内でのエントリーレベル(新人・若手)の採用数を、前年比で「3倍」に増やす計画」という報道です。
私は、ここ2ヶ月間くらいClaude Codeを使っていて、AIエージェントがソフトウェア開発の現場を変えていく存在であることを実感しています。人間がコードを書く機会は間違いなく減っていきます。これに伴い、単にコードを書くだけのエントリーレベルの人材は不要とされてしまいます。米国でのレイオフや採用抑制はこうした背景を表しているのではないでしょうか。
一方で、システムの価値を定義したり、アーキテクチャ策定したり、AIエージェントのコードの良し悪しを判断したりする力の重要性は増す一方です。なぜなら「何をどう作るべきか」ということは、依然として「出荷責任を持つ」人間の役割だからです。
しかし、先に挙げたようなことができる高度なスキルを保持する人材の数は限られているため、人材を育てない限りは、ITProが主張する「talent pipeline time bomb」になってしまうに違いありません。この点はLayerX CTOの松本勇気さんも、以下のようにおっしゃっています。(私は松本さんのnoteを信頼できる情報源としてよく拝読させてもらっています。)
AIエージェント時代の人材戦略 — 採用の二極化と”意図的な育成”の必要性 – Matsumoto Yuki note
「採る」だけでは組織は持続しません。「育てる」という機能を意図的に持つ必要があるのです。
ではどうしたらよいか。再び松本さんのnoteを引用させてもらいます。
私は、新卒やジュニアの採用を継続しつつ、彼らをエージェントネイティブな人材として育成していくことが、これからの組織にとって不可欠だと考えています。ここで言うエージェントネイティブとは、AIエージェントを道具として自然に使いこなしながら、その上で設計判断やプロダクトの方向性を自ら考えられる人材のことです。
私はこの考えに共感しています。米国と日本では労働市場の構造やAIの浸透度合いが異なるので、まだ問題として顕著になってはいませんが、遅かれ早かれ同じような議論が巻き起こると予想しています。だからこそ、今のうちから、エージェントネイティブな人材育成を経営戦略に織り込んでいくことが重要だと思いました。
近いうちに、エージェントネイティブな人材の定義やスキルセット、育成方法について、深く考えてみたいと思います。
対象エピソード:
- Ep.947 揺り戻し、始まる──IBM「新人採用3倍」が示すAIと人の新しい契約(2026年2月19日配信)
- Ep.941 「2030年の空白」──AIが生んだ人材育成の時限爆弾(2026年2月19日配信)
- Ep.299 AI代替が突きつける“新卒冬の時代”――名門大卒でも就職難のシリコンバレー(2025年6月26日配信)過去配信
- Ep.245 AI時代の人間開発者:Microsoftの大量レイオフが示す未来(2025年6月5日配信)過去配信
- Ep.190 アメリカ発:CS専攻卒業生の逆風とAI時代の就職戦線(2025年5月22日配信)過去配信
ラインナップ
- Ep.950 最強の中間管理職、誕生──Claude Sonnet 4.6が変える「実務」の基準(2026年2月19日配信)
- Ep.949 Metaの「20兆円」勝負──NVIDIAと築くAGI要塞“Prometheus”の全貌(2026年2月19日配信)
- Ep.948 「良心」か「国防」か──Anthropicと米国防総省、決裂の危機(2026年2月19日配信)
- Ep.947 揺り戻し、始まる──IBM「新人採用3倍」が示すAIと人の新しい契約(2026年2月19日配信)
- Ep.946 中国AIの春節攻勢──Alibaba「Qwen 3.5」が放つ、オープンソース最強の“推論脳”(2026年2月19日配信)
- Ep.945 AI音楽の“成分表示”が可能に──ソニーが放つ「著作権保護」の決定打(2026年2月19日配信)
- Ep.944 Okta、社員の「野良AI」を一網打尽に──“エージェンティック企業”を守る新技術(2026年2月19日配信)
- Ep.943 野良AIの英雄、巨人の懐へ──OpenClaw作者、OpenAI入りを表明(2026年2月19日配信)
- Ep.942 AIという嵐、閉ざされる城門──GitHubが下した「PR制限」の決断(2026年2月19日配信)
- Ep.941 「2030年の空白」──AIが生んだ人材育成の時限爆弾(2026年2月19日配信)
- Ep.940 人間はもうコードを書かない──OpenAIが提唱する「Harness Engineering」の衝撃(2026年2月19日配信)
- Ep.939 熟考する巨人──Google「Gemini 3 Deep Think」が示す“思考”の深淵(2026年2月19日配信)
- Ep.938 賢さはそのままに、速さを手に入れた──Claude Opus「Fast Mode」の登場(2026年2月19日配信)
- Ep.937 OpenAIの電撃戦──「GPT-5.3 Spark」が刻む“1000トークン/秒”の衝撃(2026年2月19日配信)
- Ep.936 上場直後の“本気”──MiniMax「M2.5」が書き換えるAIのコスト対効果(2026年2月19日配信)
- Ep.935 TikTokの頭脳を自前で──ByteDance、Samsungと挑む「5ナノ」AIチップ製造計画(2026年2月19日配信)
- Ep.934 サムスンの逆襲──世界初「HBM4」出荷開始でAIメモリ戦争は新局面へ(2026年2月19日配信)
- Ep.933 「空飛ぶWi-Fi」の最終兵器──サウスウエスト航空、Starlink全面採用へ(2026年2月19日配信)
- Ep.932 「AIのせいで電気代が上がった」とは言わせない──Anthropicが提示した“仁義ある”解決策(2026年2月19日配信)
- Ep.931 中国AIの逆襲──Zhipu AI「GLM-5」が切り拓く“自律エージェント”の新時代(2026年2月19日配信)
