2026.3.24

「Hatch Technology NAGOYA」 成果発表会に参加しました

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こんにちは!代表取締役 兼 AIサービス開発室の鈴木生雄です。

2026年3月23日に、Hatch Technology NAGOYA 成果発表会 に実証事業者として参加してきました。会場はナディアパーク内にあるイノベータズガレージというスタイリッシュなコワーキングスペースでした。

プレゼンテーション

当社は全部で14件あるプロジェクトのトップバッターとして、名古屋市の教育支援部 学校保健課 様とともに発表させていただきました。当日にスタッフの方に聞いたところ、来場予約は約200人でそのうち私たちの発表の頃には100名程度の方がすでに来場されていたようでした。大勢の前で発表するのは緊張しましたが、たくさんの人に聴いてもらえてうれしかったです。

さてここからは、当社の取組を「野菜の価格予測AI」と「献立表カレンダー」に分けて、使用した技術と検証結果をダイジェストでお伝えしていきます。その前に名古屋市の報道発表を引用しておきますので、この投稿で初めてHatch Technology NAGOYAでの当社の取組をお知りになった方はお読みください。

「Hatch Technology NAGOYA(ハッチテクノロジーナゴヤ)」課題提示型支援事業では、機械学習やAIの技術を用いて、物価高騰による学校給食の予算管理の難しさと、献立表作成業務における教職員の負担軽減という2つの課題の解決を目指す実証実験を実施しています。本プロジェクトでは、過去の市場データや気象データを活用した「野菜の価格予測ツール」 と、市内の5つのブロックで提供する献立の順番を決める際の複雑な制約を自動処理する「献立表カレンダー作成ツール」 を組み合わせた取組みを行っており、持続可能で安定した学校給食の提供体制の構築を目指します。

先進技術を用いた社会実証プロジェクト -野菜の価格予測・献立表カレンダー作成支援で実現する学校給食DX-名古屋市報道発表(2026年2月10日)

野菜の価格予測AI

野菜の価格予測AIのために「ベイズ構造時系列モデル」を採用しました。「ベイズ構造時系列モデル」は、時系列データを「トレンド」「周期性」「外部要因」などの成分に分けて表し、それぞれを「ベイズ推定」で扱うAIモデルです。ちなみに、「ベイズ推定」とは、先に持っている知識や予想(事前分布)を、観測データで更新して、より妥当な推定(事後分布)を得る方法です。ベイズ推定には、推定結果を1つの値ではなく、確率分布として表せるという特徴があります。(これ以上、深入りするのはキリがないので止めておきます…。)

要は、予測した野菜の価格の根拠を「トレンド」「周期性」「外部要因(今回の場合は気象)」に分解して、「この価格にどれくらいの確率でなりそうか」を表せるモデルということです。予算を踏まえて給食のメニューを考える業務に対しては、これらの特性が活かせると考えてこの技術を採用しました。

検証のKPIとして「レベル1: トレンドの予測(上がるor下がるを当てられるようにする)」と「レベル2:予測精度を高める(誤差10%未満・青果事業者の予定価格より小)」を掲げて、給食でよく使われる野菜7品目(にんじん、キャベツ、ねぎ、たまねぎ、じゃがいも、だいこん、はくさい)のモデルの構築・改善を続けてきました。その結果、KPI レベル1は達成、レベル2は部分達成(ねぎは誤差10%未満、にんじん・じゃがいもは予定価格より小)となりました。

献立表カレンダー

献立表カレンダー作成のために「CP-SATソルバー」を採用しました。「CP-SATソルバー」は、制約充足問題と組合せ最適化問題を解くのが得意な計算エンジンです。1ヶ月の決まった献立を、調達や鮮度管理、味付けなどの様々な事情に基づくを制約を踏まえつつ、5ブロックに分けて組み合わせるという献立表カレンダー作成の業務にまさにうってつけだと考えて、この技術を採用しました。

検証のKPIとして「レベル1:制約の文章から生成AIで制約条件を抽出できるようにする」と「レベル2:制約違反なし(未割当て許容)の献立表カレンダーを作成する」と「レベル3:制約違反なし・未割当てなしの献立表カレンダーを作成する」を掲げました。11月、1月、2月の献立作成委員会にて、実際の献立作成担当者の方々からフィードバックを得ながらアプリの開発を進めた結果、レベル3を達成するに至りました。

ブース展示

プレゼンテーション会場のすぐ隣ではブース展示を行いました。ブース展示では「価格予測AI」の品目ごとの予測結果の詳細なグラフを説明したり、「献立表カレンダー」作成業務を模した献立表パズルゲームを体験してもらったりしました。それぞれ担当した開発者自身が来場者の方々に一生懸命説明をしていました。(後でメンバーに聞いたところ「いつもと違う体の使い方をしたので疲れた~」と言っていました。これもよい経験。)

まとめ

2025年9月12日にキックオフしたこのプロジェクトもいよいよ終わりとなりました。約半年(応募準備を開始した7月を起点にすると9ヶ月)でしたが、私にとってはあっという間でした。私としては、このプロジェクトを通じて、技術や結果もさることながら、以下の果実を得られたことが本当によかったです。

  • AIに関する社外のプロジェクトをこれまで関わったことのない方々(名古屋市、NPO法人、栄養教諭、記者)と協働しながら完遂できたこと。
  • プロジェクトが進むに連れてチームワークが向上したこと。
  • 社員やお客様、学生の方々とこのプロジェクトを触媒にして対話の機会を得られたこと。

私自身を含めAIサービス開発室のメンバーは3人とも大きく成長したと思います。この上は、今回の経験を活かして、お客様や社員のみなさんの業務の役に立つAIサービスを提供していきたいと思います。

最後になりますが、プロジェクト関係のみなさま、応援してくれた社員のみなさま、こうした機会をいただき誠にありがとうございました。

過去の投稿一覧

Hatch Technology NAGOYAに関する当ブログの投稿をまとめておきますので、ぜひ読んでみてください。

活動履歴

ブログの投稿順序とは異なりますが、以下の順に読んでもらえると活動の流れがよくわかっていただけると思います。

「Hatch Technology NAGOYA」課題提示型支援事業の実証プロジェクトに採択されました

「Hatch Technology NAGOYA」プロジェクトキックオフ

「Hatch Technology NAGOYA」 公式サイトに活動報告が掲載されました

Government Innovation Gathering 2025に参加しました

「Hatch Technology NAGOYA」 公式サイトに活動報告が掲載されました

「Hatch Technology NAGOYA」実証プロジェクト成果発表会に登壇します!!(2026.3.23)

メディア掲載紹介

Hatch Technlogy NAGOYAでの当社の取組を複数のマスメディアに取り上げていただきました。

中日新聞に名古屋市との実証プロジェクトに関する記事が掲載されました(2025.10.10)

日本経済新聞に名古屋市との実証プロジェクトに関する記事が掲載されました(2025.10.16)

中部経済新聞に名古屋市との実証プロジェクトに関する記事が掲載されました(2025.10.27)

NHK「まるっと!」で名古屋市との実証事業に関するニュースが放送されました(2025.11.21)

東海テレビ「ニュースONE」で名古屋市との実証事業に関するニュースが放送されました(2025.12.19)

中部経済新聞に名古屋市との実証プロジェクトに関する記事が掲載されました(2026.2.26)