2026.6.11

名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャスト(2026年6月11日)

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こんにちは!代表取締役 兼 AIサービス開発室の鈴木生雄です。ポッドキャストを更新しました。

注目ニュース

Anthropicが最新モデル「Claude Mythos 5」と「Claude Fable 5」を発表

2026年6月9日、Anthropicは2つの新しいAIモデル 「Claude Mythos 5」 と 「Claude Fable 5」 を発表しました。Anthropicが公開している性能評価表を見ますと、Claude Opus4.8やGPT5.5、Gemini 3.1 Proを上回る性能を保持していることわかります。

このうちClaude Mythos 5は、以前から限定提供されていた Claude Mythos Preview の後継にあたるモデルです。Mythos Previewは、非常に高度なサイバーセキュリティ能力を持つことから、米国政府との協力のもと、重要なソフトウェアインフラを保護するための共同イニシアチブ 「Project Glasswing」 を通じて、サイバー防衛者や重要インフラ事業者など、限られた組織にのみ提供されてきました。

今回発表されたClaude Mythos 5も、まずはProject Glasswingの参加組織に対して、Claude Mythos Previewのアップグレードとして提供されるようです。Anthropicによれば、Claude Mythos 5はClaude Fable 5と同じ基盤モデルでありながら、一部領域の安全制限が緩和された構成になっており、特にサイバーセキュリティ分野では「世界で最も強力な能力」を持つと説明されています。今後は、より広いTrusted Access Programを通じて、限定的にアクセス範囲を広げていく方針のようです。

一方のClaude Fable 5は、同じくMythos級の能力を持ちながら、一般利用に向けた安全対策を施したモデルです。Anthropicは、サイバーセキュリティやバイオ・化学などの一部の高リスク領域では、より安全側に調整された Claude Opus 4.8 に応答を切り替える仕組みを導入していると説明しています。これにより、Mythos級の高い性能を一般ユーザーにも提供しつつ、悪用リスクを抑えようとしているわけです。

Claude Fable 5は、2026年6月9日からClaude APIや従量課金型のEnterpriseプランで利用可能になっています。また、Pro、Max、Team、シートベースのEnterpriseプランでは、6月22日まで追加料金なしで利用でき、6月23日以降は使用クレジットが必要になる予定です。ただし、Anthropicは将来的に、十分な提供容量が確保でき次第、Fable 5を再びサブスクリプションプランの標準機能として戻す意向も示しています。

というわけで、私もまずはClaude Fable 5を試してみようと思っています。

ただ、ここ最近は、より性能の高いAIモデルに切り替えても、私自身がボトルネックになっていて、モデルの性能を十分に引き出せていないような感覚があります。特に、自分があまり詳しくない分野についてAIとやり取りするときほど、モデルごとの性能差を正確に見極めるのが難しいと感じます。

逆に、自分が詳しい分野であれば、回答の網羅性や緻密さが不足していることに気づけます。その場合は追加で質問を重ねれば目的を果たせることも多く、現時点でもかなり満足できているのが正直なところです。まさに、AIモデルの進化に対して、自分の体感としては 「限界効用逓減の法則」 が当てはまり始めているように思います。

以前であれば、たとえば「高さ30cmの綿あめの上に高さ10cmのレンガを置いたら、合計の高さは何cm?」のような、一発のプロンプトでモデル性能の差が見えることもありました。しかし現在では、単発の質問だけで明確な差を感じる場面はかなり減ってきています。

むしろ、実際の業務に近い複雑なタスクでは、会話の中で前提や制約、判断基準を積み上げていかないと、モデルごとの差は見えてこないように思います。そして今のところ、そのコンテキストを適切に積み上げる役割は、まだかなり人間側に残っています。

ただ、そのコンテキストを「漏れなく、誤りなく、矛盾なく」与え続けるのは、実際にはかなり難しいことです。

そう考えると、今後重要になるのは、単にモデル単体の性能だけではないのかもしれません。性能の異なる大小モデルへのルーティング、危険領域に対する安全制御、ユーザーの意図や作業履歴に応じたコンテキストの自動構築など、モデルの周辺にあるシステムと、その運用設計がますます重要になる段階に入ってきているのだと思います。

対象エピソード:

  • Ep.1293 Anthropicが放つ次世代AIの双璧──「Claude 5 Fable」と「Mythos 5」が拓く新たな可能性 (2026年6月11日配信)
  • Ep.1080 Anthropicが放つ“危険すぎる”AIモデル──世界を守る盾「Project Glasswing」始動(2026年4月9日配信)

ラインナップ

  • Ep.1293 Anthropicが放つ次世代AIの双璧──「Claude 5 Fable」と「Mythos 5」が拓く新たな可能性 (2026年6月11日配信)
  • Ep.1292 言葉の壁が消える日──Googleのリアルタイム翻訳AI「Gemini 3.5 Live Translate」 (2026年6月11日配信)
  • Ep.1291 日立とGoogle Cloudが協業拡大──現場を動かす「フィジカルAI」とFDEの力 (2026年6月11日配信)
  • Ep.1290 膨らむAIコストに歯止めを──Cloudflareが放つ「AI Gateway Spend limits」 (2026年6月11日配信)
  • Ep.1289 SpaceXが宇宙データセンターの全貌を公開──「AI1」衛星が変える計算資源の未来 (2026年6月11日配信)
  • Ep.1288 Clineが導く次世代の開発スタイル──「雰囲気コーディング」を終わらせる仕様主導型AI (2026年6月11日配信)
  • Ep.1287 Appleが放つAIの完成形──WWDC26でベールを脱いだ「Siri AI」と次世代Apple Intelligence(2026年6月11日配信)
  • Ep.1286 OpenAIがIPOへ第一歩──“秘密のS-1提出”が明かすAI業界の真実(2026年6月11日配信)
  • Ep.1285 NotebookLMが超進化──Gemini 3.5とAntigravityで「自ら動くAI」へ(2026年6月11日配信)
  • Ep.1284 TSMC一強時代の終焉?──GoogleがIntelへ託す「300万個」のAI半導体(2026年6月11日配信)
  • Ep.1283 NHSが50万人規模でAI導入──M365 Copilotが救うイギリス医療の現場(2026年6月11日配信)
  • Ep.1282 AnthropicがAI導入の“頼れる相棒”を可視化──IPOを睨んだ新たなパートナー制度とは(2026年6月11日配信)
  • Ep.1281 スペースXがGoogleを救う?──AIインフラの巨人と化す宇宙企業の驚くべき戦略(2026年6月11日配信)
  • Ep.1280 ChatGPTのメモリが「夢を見る」──あなたを理解し続ける新機能「Dreaming」(2026年6月11日配信)
  • Ep.1279 テック界の巨頭たちが結束──AI時代のバイオテロを防ぐ「ScreenDNA」の衝撃(2026年6月11日配信)
  • Ep.1278 日立とIntelがタッグ──「フィジカルAI」で現実世界の産業を変革する(2026年6月11日配信)
  • Ep.1277 日立がAnthropicのサイバー防衛網「Project Glasswing」に参画──AIで社会インフラを守る(2026年6月11日配信)
  • Ep.1276 Googleが放つローカルLLMの刺客──ノートPCで動くマルチモーダルAI「Gemma 4 12B」(2026年6月11日配信)

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