2026.7.2

名古屋ではたらく社長のITニュースポッドキャスト(2026年7月2日)

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こんにちは!代表取締役 兼 AIサービス開発室の鈴木生雄です。ポッドキャストを更新しました。

注目ニュース

世界的なメモリー半導体不足、AIブームで勢いづくメモリー大手企業

メモリー半導体を供給する企業の勢いが止まりません。最近、私自身がメモリー半導体に注目してニュースを見ているからか、「キオクシアが時価総額で日本一になった」「Micronが記録的な好決算を発表した」といった景気のよい話が次々と目に入ってきます。

そこに重なるように今週も、Samsung ElectronicsとSK hynixが約800兆ウォンを投じて新工場を建設するニュース(Ep.1326)、中国のCXMTがテンセントと30億ドル規模の長期契約を締結するニュース(Ep.1327)が報じられました。また、AppleがCXMTからメモリーを調達できるよう、米政府に働きかけているというニュース(Ep.1328)もあり、世界的なメモリー半導体不足がいよいよ際立ってきた印象です。

そうした背景もあり、せっかくならこの機会にメモリー半導体について学び直してみようと思い、調べた内容を以下にまとめます。

まず、メモリー半導体の代表格としては、高速な揮発性メモリーであるDRAMと、不揮発性メモリーであるNAND型フラッシュメモリーがあります。AIの学習・推論において、DRAMとNANDはそれぞれ異なる役割を担っています。

DRAMは、AIが計算するための「作業場所」です。学習データの前処理、推論処理、モデル実行、GPUへのデータ供給などに使われます。なお、AI GPUの近くに置かれるHBMもDRAMの一種で、AI性能に直結する重要な部品です。

DRAMの世界シェアはおおむね以下のとおりです。

【DRAMの世界シェア】

  1. Samsung Electronics(韓国)39%
  2. SK hynix(韓国)29%
  3. Micron Technology(米国)22%
  4. CXMT(中国)8%

DRAM市場は、Samsung、SK hynix、Micronの3社が圧倒的なシェアを持つ寡占市場です。さらに、AI向けに重要なHBMに限ると、現在はSK hynixの存在感が突出しています。HBMを大口供給できる主要企業は実質的にSK hynix、Samsung、Micronの3社とされますが、その中でもSK hynixが約6割のシェアを占めるとされ、DRAM全体ではSamsungが強い一方、HBMではSK hynixが主導している、というのが現在の大きな特徴です。

一方、NANDはAIに必要なデータやモデルを保存するためのメモリーです。学習データ、学習済みモデル、チェックポイント、ログ、RAG用データベースなどを保存します。DRAMが「作業机」だとすれば、NANDは「倉庫」に近い存在です。

NANDの世界シェアはおおむね以下のとおりです。

【NANDの世界シェア】

  1. Samsung Electronics(韓国)32%
  2. SK hynix(韓国)18%
  3. キオクシア(日本)14%
  4. Micron Technology(米国)14%
  5. SanDisk(米国)14%

ここに日本企業のキオクシアが入ってくるわけですね。

キオクシアは、もともとは東芝メモリでした。東芝の経営危機を背景に、2018年にベインキャピタルが主導する日米韓連合へ売却され、その後、2019年に社名をキオクシアへ変更しました。そして2024年12月に東証プライム市場へ上場しています。

蛇足ですが、キオクシアの証券コードは「285A」です。これは、上場してまだ約1年半しか経っていない新しい銘柄であることを感じさせるコードです。証券コードは、もともと上位2桁で業種、下位2桁で上場順序を表す体系でしたが、空き番号不足により、2024年1月以降は新規上場銘柄に英文字を組み入れたコードが導入されています。ちょっとした豆知識ですね。

なお、東芝におけるNAND型フラッシュメモリー開発を主導した舛岡富士雄氏と、その仲間の方々を追ったドキュメンタリー番組を観たのですが、これが大変面白かったです。2017年に放送された番組のようですが、今こそ地上波で再放送してもよいのではないかと思うほどでした。興味のある方はぜひ視聴してみてください。

ブレイブ 勇敢なる者 「硬骨エンジニア」 – NHKオンデマンド

そして私は、このメモリー半導体の好景気は今後しばらく続くのではないか、という見立てを持っています。

理由は、米国が中国とのAI開発競争に対して、国家としてほぼオールインしている状況に見えるからです。OpenAIやAnthropicには莫大な資金が流入しており、もはや “too big to fail” と言ってよい存在になりつつあります。米国としても、この流れを止めるより、そのまま突き進むしかない局面に入っているように見えます。

今週のニュースでいえば、OpenAIの新モデル発表前に米政府が介入したと報じられた件(Ep.1324)からも、AI開発競争が単なる企業間競争ではなく、国家レベルの国際競争になっていることがうかがえます。

最後に、今回の調べ学習にあたって参考にしたnoteをご紹介します。小学校の社会で習ったことを思い出しながら、半導体の現代史をたどるのはとても楽しかったです。これらのnoteは有料ですが、この4本を読むだけでも十分に価値があると思います。興味のある方はぜひ読んでみてください。

週刊金融日記 第734号 読めば誰でも5分で分かる!かつて世界を制した日本のメモリ半導体興亡史
週刊金融日記 第735号 AIバブルはまだ序盤!世界AI戦争で東アジア諸国(=韓国・台湾・日本・中国)に超絶な特需が来ている
週刊金融日記 第736号 AIツルハシ銘柄相場はまだ続くのか?いまから買うなら何を買うべきか考えました、マイクロンの決算に注目
週刊金融日記 第737号 Micronと立場が逆転したAppleが泣きつく中国のDRAM企業CXMT(長鑫メモリ)について解説します、キオクシア社員から億万長者続出

対象エピソード:

  • Ep.1328 Apple、価格高騰で中国「ブラックリスト」企業CXMTからのメモリ調達を模索──AIが引き起こすスマホ市場の波紋(2026年7月2日配信)
  • Ep.1327 テンセントとCXMT、約30億ドルのメガ契約──中国「メモリ自給自足」の最前線とAIインフラの地政学(2026年7月2日配信)
  • Ep.1326 韓国、800兆ウォン規模のAI半導体メガプロジェクトを発表──首都圏集中からの脱却とAI覇権への布石(2026年7月2日配信)
  • Ep.1324 OpenAI、GPT-5.6「Sol」発表──米政府の介入とAIモデルリリースの新基準(2026年7月2日配信)

ラインナップ

  • Ep.1336 Noetra始動、AIロボット1000万台へ──経産省が「フィジカルAI」に3,873億円のメガ投資(2026年7月2日配信)
  • Ep.1335 Anthropic、最新AI「Fable 5」「Mythos 5」の輸出規制解除──米商務省との対立を経てアクセス復旧へ(2026年7月2日配信)
  • Ep.1334 Anthropic、中量級モデル「Claude Sonnet 5」を発表──Opusに迫る自律型エージェントの決定版(2026年7月2日配信)
  • Ep.1333 Anthropic、科学者向けAIワークベンチ「Claude Science」を発表──創薬とゲノム解析を再定義する新環境(2026年7月2日配信)
  • Ep.1332 OpenAI、「GeneBench-Pro」を発表──AIの真価を問う計算生物学ベンチマークと科学研究の自動化競争(2026年7月2日配信)
  • Ep.1331 OpenAI、推論コスト半減のブレイクスルー──ソフトウェア最適化と自社チップ「Jalapeño」が描く脱NVIDIA戦略(2026年7月2日配信)
  • Ep.1330 Meta、手術不要の思考テキスト化AI「Brain2Qwerty v2」を発表──非侵襲BCIが迫るインプラント技術の背中(2026年7月2日配信)
  • Ep.1329 Cursor iOSアプリ登場──スマホからAIエージェントを操る“どこでも開発”の幕開け(2026年7月2日配信)
  • Ep.1328 Apple、価格高騰で中国「ブラックリスト」企業CXMTからのメモリ調達を模索──AIが引き起こすスマホ市場の波紋(2026年7月2日配信)
  • Ep.1327 テンセントとCXMT、約30億ドルのメガ契約──中国「メモリ自給自足」の最前線とAIインフラの地政学(2026年7月2日配信)
  • Ep.1326 韓国、800兆ウォン規模のAI半導体メガプロジェクトを発表──首都圏集中からの脱却とAI覇権への布石(2026年7月2日配信)
  • Ep.1325 Excelが真の金融プラットフォームへ──Microsoft、「Frontier Finance」向けCopilot新機能を発表(2026年7月2日配信)
  • Ep.1324 OpenAI、GPT-5.6「Sol」発表──米政府の介入とAIモデルリリースの新基準(2026年7月2日配信)
  • Ep.1323 IBM、限界突破の0.7ナノ——世界初「サブ1ナノ」半導体が拓くオングストローム時代(2026年7月2日配信)

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