業務システム開発へのコーディングエージェント活用を検証したプロジェクトをGitHubで公開
〜ハーネスエンジニアリングの実践例として設計書・ソースコード・テスト記録・AI向け作業手順を公開、全社員向けハンズオン研修を開始〜
株式会社システムサーバー(本社:愛知県名古屋市中区、代表取締役社長:鈴木 生雄、以下「当社」)は、業務アプリケーション開発の現場へのコーディングエージェント導入を推進する取り組みの一環として、コーディングエージェントを活用した開発の検証プロジェクト「project-coding-agent」をGitHub上で公開しました。
あわせて、本プロジェクトを題材としたハンズオン研修を当社の全社員を対象に順次実施し、コーディングエージェントを使いこなせる技術者の育成を進めてまいります。
■ 背景
生成AIは、質問に答える「チャット」から、自ら手順を考えて作業を進める「エージェント」へと進化しています。システム開発の分野でも、設計書を読み、プログラムを書き、テストを実行するコーディングエージェントの実用化が急速に進んでいます。
一方で、生産管理や物流管理をはじめとする業務システムの開発では、お客様の業務固有の知識と、仕様どおりの品質が欠かせません。コーディングエージェントを実際の開発現場で活かすには、AIに「何を参照させ、どう作業させ、結果をどう確かめるか」という仕組みづくりが求められます。
当社はこの仕組みづくりを「ハーネスエンジニアリング」と位置づけています。ハーネスエンジニアリングとは、AIエージェントの挙動を安全・安定・再現可能に制御しながら品質の高い成果物を作成するために、開発環境、開発規約、ツール、フィードバックの仕組みを設計・運用することです。今回公開したプロジェクトは、その実践例として構築したものです。
■ 検証プロジェクトの概要
当社の社内向けシステムとして「営業情報管理システム」を題材に、設計書の作成からプログラムの実装、テストまでをコーディングエージェントを使って開発し、その進め方を検証しました。
【開発したシステム】 受注につながる案件情報の検索・登録・更新を中心に、添付ファイル、メール送信、会社・部署・ユーザの管理、CSV入出力を備えたWebアプリケーションです。ログインや権限による制御、入力内容のチェックなど、業務システムに必要な処理も備えています。
【人とAIの役割分担】 正解が人の中にしかない要件定義・基本設計は技術者が担い、その成果物に沿って詳細設計・実装・テストをAIが作成・実行し、技術者がレビューします。仕様と異なる点があれば修正し、同じテストで再確認する――この繰り返しを開発のすべての工程で行いました。
【主な特長】
- 設計書をAIが直接読み書き Word・Excel形式の設計書を、書式や構造を保ったまま読み書きする専用ツールを開発しました。AIにこのツールを使わせることで、実務で用いる様式のまま設計書を作成・更新できることを確認しました。
- テストの実行と証跡の自動記録 AIがテストを作成・実行し、画面の画像や動画、実行結果を記録として残します。確認した画面には確認箇所を示す枠や説明を付け、技術者が結果を判断しやすい形にしています。
- AI向けの共通指示と工程別の作業手順 AIが参照する共通の指示と、計画・作成・実行・確認の各工程の作業手順を整備し、あわせて公開しています。
【主な利用技術】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コーディングエージェント | Claude Code |
| 言語 / フレームワーク | Java / Spring Boot |
| データベース | PostgreSQL |
| フロントエンド | Thymeleaf / JavaScript / CSS(Bootstrap、AG Grid) |
| ビルドツール | Gradle |
■ 公開内容
| 公開物 | 内容 |
|---|---|
| 設計書 | 基本設計書・詳細設計書(機能、画面、データ、処理の設計) |
| アプリケーション | 営業情報管理システムのソースコード |
| テスト | テストコード、テスト仕様、入力データ、画面の画像・動画による記録 |
| AI向けの作業手順 | AIへの共通指示、工程別の作業手順 |
| 開発環境の設定 | ビルド設定、E2Eテスト設定、ランタイム・コンテナ構成、IDE設定 |
| ホワイトペーパー | 「コーディングエージェント検証プロジェクトホワイトペーパー」(コーディングエージェントの基礎知識から、利用環境の準備、作業の依頼と結果の確認、設計・実装・テストでの活用方法までを解説) |
■ 全社員を対象としたハンズオン研修の実施
当社は、本プロジェクトを題材としたハンズオン研修を、当社の全社員を対象に実施します。実際に動くシステムと設計書・作業手順を使いながら、コーディングエージェントへの作業の依頼方法や、成果物の確認・判断の進め方を体験的に習得します。
- 2026年10月:社内プレビュー実施、フィードバックによる内容改善
- 2026年11月〜:本実施
当社は、お客様の業務を理解する技術者がAIを使いこなし、AIの成果物の良し悪しを自らの目で見極めることが、AI時代の業務システム開発における品質の要であると考えています。
■ 代表取締役社長 鈴木 生雄のコメント
「当社は長年、お客様の業務に深く関わり、提案から開発、運用・保守までを手がけてきました。コーディングエージェントの登場で開発の進め方は大きく変わりつつありますが、業務を理解し、品質を見極めるのは変わらず技術者の役割です。今回の公開は、AIに正しく働いてもらうための仕組みづくりを、当社自身が実践して示すものです。全社員がAIを使いこなす技術者となり、お客様の業務改善をより早く、確かな形でお届けしてまいります。」
